私が所属している研究室では,OB・OGがいろんな大学に活躍していて,指導教員も多くの大学の教員と繋がりがある.そのため,論文を執筆して学会や研究会に投稿する際に,指導教員から「〇〇先生の名前を第X著者に入れてください」と指示されることがある.
論文を書いた経験がない人でも理解できると思うが,一般的に研究者を評価する基準として,研究成果や受賞など研究の内容と結果に基づくものが考えられるでしょう.しかし,研究成果の優劣は分野によって異なり,「これが他より優れている」と一概に評価するのはできなくはないが難しい場合が多い.そして,最も公平に見える基準として「どのレベルの学会にどれだけ論文が採録されたか」がよく使われる.
確かにこの基準は公平に見えるが,一つの論文の著者は一人に限らないことがほとんどで,複数の著者が関与するのが一般的.学生なら指導教員が研究にどれくらい貢献したかに関わらず,その人の名前を必ず共著者に含めるのが慣例.最も悪質なのは,学生が主体的に行った研究であるにもかかわらず,自分の名前を第一著者に強制する指導教員だ.
なんとなく見えてきたのではないか.著者数に一定の制限があるとはいえ,相当余裕がある.そこに利益関係のある者を共著者に加えることで,「ウィンウィン」の状態を作り出す.
被害者はおそらく少ないゲームではあるが,夜神月みたいに「世の中腐ってる!」と言いたくなる.