開発者のハードウェアが良すぎる

Last Updated: November 21, 2024

私が幼い頃,「プログラミング」は「コンピュータ科学」と強く結びつけられていて,少しニッチな興味であった.ゲームをたくさんしていたせいなのか,中学校で誰よりもパソコンに慣れていた私はあらゆるソフトウェアに対してその仕組みに興味を持ち,プログラミングを始めた.しかし今では,プログラミングは高校の授業に含まれ,小学生向けのプログラミング教室も多くみられる時代となっている.この現象は,ソフトウェアの需要の増加からだけではない.最も根本的な原因は,ハードルがガタ落ちしたからである.

普及によるニッチ化

あることが普及されると,元々活動していた人たちは他と同様に扱いされることが多くなるでしょう.要は,「〇〇をやってます」に対する反応が「へえ〜珍しい」から「へえ〜」に変わる.

余程上手でなければ,大衆に希釈され,誇りに思っていたことが普通なことになってしまう.プログラマーが大量に溢れている2024年,「プログラミング」を興味として名乗る人は,大体面白いプロジェクトに携わったことがあり,いわゆるすごい人である.やっているだけで興味と言ってもいいようなことが,みんながやっているからどんどん言えなくなるプログラミングだ.もはや,「プログラミング」は「コード書く」や「アプリケーションを作る」と分けて話す必要があるように見え,普及されているなのにニッチ化している.

無関心な開発者たち

10年前のパソコンで何ができるかと言われると,「やりたいことによる」としか答えられない.華やかなサイトをロードするのに十数秒以上かかるでしょう.YouTubeですら重いでしょう.「仕方がないだろう」と思うかもしれないが,10年ほど前に発売されたレノボのノートパソコンでプログラミングを配信してきた配信者がいる.このブログを書こうと決めたきっかけは,その人の切り取り動画である. 結論から言うと,仕方なくはない.最もわかりやすい,ゲームを例にしよう.2019年に発売されたRed Dead Redemption 2はゲーム史上,現実性を最大に再現したゲームである.死亡した動物がゲーム内時間が経つと腐敗するなど細かいところだけではなく,メガネのレンズが本当に向こう側を拡大しているなど物理現象を正しく表現するまで作り込んでいる.しかし,驚くべきなのは,現実だと思われてもおかしくない画質とこれだけの内容が含まれている割に,他のAAAゲームと比べてより低いスペックで楽しめることだ.

ゲームは多くの計算資源を要するので,効率化・最適化は常に課される課題である.普通のソフトウェアもそのはずだが,実際はほぼ無視されている.プログラミング言語が簡単に読める・書けるになると,プログラムの内部がどんどん見えにくくなり,効率化・最適化が難しくなる.まして,プログラミングが興味でもない,機能だけ動いていればいいと思っている開発者たちは一般的に高スペックで開発を進めるため,「燃費」の悪さを実感できない.